2009年新春挨拶
逆風をチャンスに変える
昨年9月のリーマンショック以降、急激に難しい時代となりました。世界的に信用収縮が進んだことで、 実体経済に影響が及び、結果荷物の動きが鈍化したため、海運マーケットが一気に冷え込みました。 業界を取り巻く環境は昨年とは全く違ってきています。
昨年までは追い風だった研究開発需要ですが、今年は逆風に変わってしまう可能性もあります。 しかし、ある意味では、この逆風はチャンスでもあると思います。 即ち、これからは、1つ1つの課題により厳しい選択が求められるようになりますが、 それは正に我々MTIの強みである本質を見極める力が求められ、その真価を発揮する時が来たと言えるからです。
アンテナを高くして、時代が求めているもの、ステークホルダーが求めているものをきちんと捉えていき 、我々が貢献すべきことを見極め、迅速に対応してまいります。 昨年、「MTIがあるから、日本郵船が強い」と言ってくださった会社がありました。 こういう難しい時代にあっても、「MTI効果」が発揮できる一年に、今年もしていきたいと思います。

今年は成果を出す年
今年は、MTIの設立から5年目に入ります。MTIの持っている2つの部門、研究開発と人材育成の質の向上に努めていきます。
研究開発の領域では、省エネ船開発とICタグの2本柱で、今年は成果を出す年になります。昨年は、50%省エネPCC(注1)を実現するための様々な可能性を追求しながら、実績を積み上げてきました。2009年は昨年理論固めをしたことをベースに実際に開発に着手していく年になります。そして2010年は、それを発注し船の形に仕上げていく年と続いていきます。今年のやり方次第で、50%省エネ船が完成するかどうかが決まってくる、非常に大事な年になります。 (注1)自動車専用船(Pure Car Carrier)
ICタグについても、現在大きなプロジェクトの1つである総務省の「ユビキタス特区」プロジェクトは3年間の取り組みで、今年は2年目に入ります。2008年は、現場に行って、現場がどんなところかを見ながら、実際にどんなものが必要になってくるか、要件固めをしました。2009年は、その要件をどうすれば実現するか、肉付けしていく年となります。こちらもまた、大事な年になることは間違いありません。
人材育成の領域でも、2009年は物流新技術研修プログラムを立ち上げます。MTIが今まで蓄えてきた物流に関する新技術を、NYK社員に伝える初めての取り組みで、設立5年目にして漸く技術開発と人材育成が一体になっている強みを出していける年となります MTIの持つ様々な研究開発の素材を外へ発信する事で、逆に外からの新しい技術が集まってくると期待をしています。発信無ければ受信無し。まずはMTIからNYKグループ社員に、そしていずれ社外への発信を視野に入れ、ステークホルダーとの間で情報の発信を進めていくことで、複数対複数で様々な発想が生まれ出てくる、そう言う場にMTIがなれればと願っています。
温暖化への対応
最後に、温暖化への対応としては、我々はこれまで培ってきた技術力を活かして、現在、省エネ船の開発に、NYKグループの一員として取り組んでいますが、直近だけでなく、2030年の世界はどうなっているのか、2050年にはどうか、と言った長期的視点に立って、積極的に新しい技術への挑戦を行なってまいります。更に船舶だけでなく、物流、倉庫、港湾ターミナルといった物流環境やそこで行うサービスにも目を向けて、どうすればCO2を減らすことができるのかをお客様と一緒になって考え、技術の面から我々が何を提案できるのか、発想力を高めて、環境への対応に幅広く取組んでいく所存です。
