完了プロジェクト(2008年度)

2008年度にMTIで完了したプロジェクトの一覧です。

環境・省エネ・船舶運航技術

電気推進システムの商船への適用性評価【2006年度より実施】

従来のディーゼルエンジンと電気モータを組み合わせ二重反転プロペラを駆動するハイブリッド推進システムなどを対象として、エネルギー効率(推進システムへの供給エネルギーに対する推進出力の比率)の最大化、ならびに必要な構造強度や保守性についての検討を行った。

主機新制御ガバナーの開発【2006年度より実施】

実船搭載した「燃料節減モード」による効果検証を行い、コンテナ船および自動車運搬船において約1.3%の燃節効果を確認した。

水エマルジョン装置の商品化に向けた効率確認

開発したボイラ用「水エマルジョン燃料燃焼装置」を実船に搭載し、①省エネルギー効果②排気ガス中の有害物質の低減③ボイラの保守性等の評価を行った。

ブリッジ搭載用の燃費計 (FUELNAVI) の実用化

「FUELNAVI(船舶搭載用燃費計)」によって記録された運航データを元に、気象が燃費に与える影響や船の性能を確認する手法を開発した。また、ユーザへのインタビューやアンケート調査を実施し、燃費計が燃料消費削減、乗組員の燃料節減意識向上に有効であることを明らかにした。

FRP*等先端的材料を用いた船舶用省エネ装置の開発

2007年度に開発した「MT-FAST*」の材料にFRP*を適用するために、強度実験を行った注)MT-FAST:プロペラ前方に配置して翼面への流れを制御し、プロペラの推進効率向上による省エネ効果を得る船体付加物。
FRP:ガラス繊維などの繊維をプラスチックの中に入れて強度を向上させた複合材料。

バウスラスターカバーの開発

模型試験によりバウスラスターカバーによる省エネ効果を確認し、強度や機構等の検討を行い、実船に搭載した。現在、実船での効果の検証を行うとともに運用上の問題点の有無を確認中。

太陽光発電システムの実船搭載

2008年度に自動車運搬船「AURIGA LEADER」、「EQUULEUS LEADER」の2隻に太陽光発電システムを搭載し、初期のパワーマネージメントシステムを構築した。現在は太陽電池パネルの耐久性確認を目的として、モニタリングを継続実施中。

舶用ハイブリッド給電システムの開発

従来のディーゼル発電に加えて、太陽光発電および燃料電池等を利用するいわゆるハイブリッド給電システムから、高品質の電力を船内に供給するためには、大容量の二次電池を装備する必要がある。本開発では、二次電池を組み込んだハイブリッド給電システムの構築に取組んだ。次のステップで、就航船にこのハイブリッド給電システムを試験搭載することを計画している。

インバーター制御電動機、省エネ照明機器の実用化

機関室にて使用されるモータについて、インバータ制御による省エネルギー効果の評価を行った。また、居住区内の照明器具について、蛍光灯からLEDへ変更した場合の省エネルギー効果、性能の評価を実船にLEDを搭載して行った。

荷役時間の短縮

コンテナ船と自動車運搬船について、港での荷役作業の調査を行い、荷役時間短縮の方策を検討した。例えば、自動車運搬船は、荷役の際に、走行する自動車が艙内の一部で渋滞し、待ち時間が発生することが分かったので、 艙内での車の動線がスムーズになるように、スロープ構造や配置を見直すことで、荷役時間を短縮することができた

バラスト水処理装置実船搭載

最近竣工したばら積み貨物船一隻にバラスト水処理装置を試験的に搭載し、必要な試験を実施した。

「NYKスーパーエコシップ2030」のコンセプト開発

2030年までに実現可能な技術を盛り込み、1個のコンテナを1マイル運ぶ時の69%のCO2削減可能な2030年コンテナ船のコンセプトデザインを取り纏めた。

重量物運搬船の積付計画システムの開発

重量物運搬船における貨物固縛計画の現状分析を行い、積み込みおよび積み下ろしサイトでの作業に立会いながら、技術伝承の基盤強化の仕組みづくり、および業務支援のコンピューティングシステムの再構築を行った。

短期動揺予測に基づく操船ガイダンスツールの開発【2007年度より実施】

波浪中の船体動揺(横揺れ、縦揺れ、加速度等)シミュレーション技術により、船の針路、速力によってどの程度の動揺が予測されるかを乗組員に提示するシステムを開発し、コンテナ船に搭載して評価を行なった。その結果、予測値と姿勢センサーでの計測値が良く一致し、荒天時の操船判断への貢献が確認された。

船舶実海域性能評価に関する国際共同プロジェクトへの参画【2006年度より参画】

オランダの海事研究機関「MARIN」が主催する、就航船の性能解析に関する国際共同プロジェクト「SPA-JIP (Service Performance Analysis - Joint Industry Project)」に参画し、実船性能計測装置及び性能解析手法の開発を実施した。

コンテナ固縛(ラッシング)に関する国際共同プロジェクト参画【2006年度より参画】

オランダ海事研究機関「MARIN」の主催する国際共同プロジェクト「 Lashing@Sea JIP(Joint Industry Project)」に参画し、コンテナ船のラッシング技術の調査、評価を行なった。また、弊社の振動台(MCS)を使用して、1/4縮尺のコンテナ模型試験、並びにRORO船貨物のラッシングに関する試験を、同プロジェクトからの委託により実施した。

新型ツイストロックの開発【2007年度より実施】

コンテナ固縛作業の効率化と荒天時の安全性に配慮した新しいコンセプトのツイストロックを開発し、国際特許出願(PCT)を行なった。

RFID物流技術

RFIDを利用した物流サービスモデルの開発

物流輸送部材(パレット、通い箱、KDモジュール)管理、物流現場(倉庫内・屋外ヤード内)におけるロケーション(位置)管理を対象とした物流サービスモデルの開発を行った。

次世代RFIDハードウェア開発

RFID機器の開発及びその周辺技術の調査・研究を実施し、実験やデモ環境を整備することにより、RFID関連の他のプロジェクトを技術支援した。

次世代RFIDソフトウェア開発

物流の高度化・多様化するニーズに対応し、「SOA的要素を取り込んだ次世代型SaaSシステム・アーキテクチャ」を確立するためのソフトウェア技術に関する調査・研究を行った。

RFIDにおけるEPC国際標準規格の開発

RFID技術の国際標準規格団体EPCglobalに参画し、事務局および他参加企業と共に国際標準規格策定業務を遂行した。