完了プロジェクト(2011年度)
2011年度にMTIで完了したプロジェクトの一覧です。
環境・省エネ・船舶運航技術
ウィンドチャレンジャーPJへの参画
- <5ヵ年計画の2年目> (1)硬帆の試設計を実施し、構造的に成立することを計算により確認し、構造設計の指針を得た。(2)風洞試験結果とCFD計算結果に基づき帆の性能設計の指針を得た。尚、本プロジェクトは、期間が2年間延長され5年間のプロジェクトとなった。
コンテナ船積付プラン作成支援ソフトの研究開発 [Phase2]
- (1)45ftコンテナ及びリーファーコンテナの自動積付等の機能追加および計算精度の向上を図った。(2)実作業に本ソフトを適用し、問題点を洗い出した。
MARIN主催「REFIT2Save」JIPへの参画 [Phase2]
- <3ヵ年計画の2年目> (1)Post Swirl Stator(2)Duct Propeller(3)Mewis Duct(4)Pre Swirl Statorの4つの船体付加物についてCFD計算を実施した。
省エネファンの開発 [Phase2]
- 換気用大型ファンの省エネと騒音低減に取り組んだ。CFDの活用により効率良く短期間に開発することができた。省エネ効果は最大30%。又、ベルマウスを装着することにより5dB程度の騒音低減ができた。
機関部省エネ機器モニタリングシステムの開発 [Phase2]
- 給気温度、エンジン負荷を入力することにより、廃熱回収の評価ができる発電量算出ツールを開発した。モニタリングデータと算出した発電量の値の比較することにより、運転状態とメンテナンスとの相関を確認した。
海上プロードバンドシステム塔載船における船陸間情報共有化 [Phase1]
- 船上での書類管理や情報共有のトライアルを実施し、海上プロードバンドシステムや通信機器類の利用により、船内業務が大幅に改善できることを確認した。
海賊対策装置の研究開発 [Phase2]
- 海賊から襲撃されるリスク軽減の為、新コンセプトの海賊対策装置「アンチ・パイレシー・カーテン(APC*1)」を開発し、船上試験を実施した。APCは、海賊にボート転覆の脅威を与える「大量放水ノズル」と、不規則な動きで乗り込もうとする海賊に恐怖感を与える「暴れホース」を組み合わせた新製品*2。消火ポンプで利用可能。また、暴れホースはClassNKの非着火性および帯電防止認証取得済。*1 APC:Anti-Pairacy Curtain
*2 新製品:特許出願中
以下の10件のプロジェクトは、国土交通省の平成23年度「船舶からのCO2削減技術開発支援事業」の補助対象事業として採択されています。
うち9件は一般財団法人日本海事協会の「国際海運における温室ガス(GHG)削減技術に関する研究開発」の共同研究テーマとして採択されています。また、*を付した1件は財団法人日本造船技術センターとの共同研究テーマに採択されています。
空気潤滑法を用いた馬力低減 - モジュール船実船適用及び計測(2011年度)
- <3ヵ年計画の3年目> 1)最適運航モードの決定とその省エネ効果の評価を行うため、空気層厚、バルブ開度、バルブ開度制御の有無の3つのパラメータの組み合わせについて、実海域にて効果の検証を実施した。最適運航モードにより省エネ効果は6%であることを確認した。
空気潤滑法による外航船舶の省エネ技術の研究開発への参画(2011年度)
- <3ヵ年計画の3年目> (1)過給機可変ノズル機構(VTA)を装備することで、掃気圧の過度な上昇を避け、燃費率の悪化を防ぐことができた。(2)すべての船種について、空気潤滑法を適用した場合の省エネ効果を推定することが可能となった。
空気潤滑法の石炭運搬船への実船適用検討(2011年度)*
- <4ヵ年計画の3年目> 90kDWT型石炭船の空気潤滑装置を大島造船所と共同で設計した。(1)システムの安全性、メンテナンス性を考慮し、(2)必要な情報を分かり易く表示する操作画面を開発し、操作性を向上させた。
本船性能モニタリングシステムの開発(2011年度)
- <3ヵ年計画の3年目> 本船の運航状況を陸側でモニターするための性能モニタリングシステム(SIMS)を開発し、データ分析と組み合わせることで、当初見込み通りの2%以上の省エネ効果を達成した。
気象・海象の周期的外乱に対する負荷変動安定化装置の開発(2011年度)
- <4ヵ年計画の3年目> (1)可変ピッチプロペラの変節部は現在の寸法・構造で対応可能であることを確認。摺動面圧低減策を施した試設計を実施し、FEM解析により面圧低減が図れることを確認した。摺動試験結果より、一部の材質変更が必要であることを確認した。(2)SGM*及び2次電池を組み合わせた制御システムの機器構成案を策定し、性能、価格、容量、技術的難易度などの検討が必要であることを確認。*SGM: Shaft Generator Motor 軸発電機
大容量・新型ニッケル水素電池を用いた外洋航海船向け二次電池の利用技術の研究開発 (2011年度)
- <4ヵ年計画の3年目> (1)実船に搭載し、複数の運転モードについて制御パラメータの最適化を行った。(2)太陽光発電電力の変動抑制および Air Compressorの消費電力のピークカットが実現できていることも確認した。
国際運航管理システムの開発(2011年度)
- <4ヵ年計画の3年目> (1)船舶動静の模擬データを用いたシミュレーション実験を実施し、港湾予約システムの動作検証を行った。(2) バルカー4隻に対して、航海実績データを用いてSPICA*1モデルのETA*2精度評価を実施し、航海実績の到着時間とモデルで計算した「みなしETA」がほぼ一致することを確認した。SPICA:海上技術安全研究所が作成した船舶性能標準プログラム
ETA:Estimated Time of Arrival 予定到着時刻
温室効果ガス排出削減に向けた船型大型化に伴う操船性能に関する研究開発(2011年度)
- <4ヵ年計画の3年目> 船型の大型化により、風圧面積が増大し、それに伴う操船の安全性低下が心配されたが、操船の安全性は従来の船型とほぼ同等であルことを確認した。さらに、操船シミュレーションの結果より新たに開発した、US*リアルタイムモニターを利用することによって、すなわち無駄な保針、変針、避航操船をミニマイズすることにより、大型化PCCのさらなる安全性向上が可能であることを確認した。*US:Unsafe Ship-handling 不安全操船状態
ハイブリッドターボチャージャーの船舶実用化技術の開発(2011年度)
- <4ヵ年計画の3年目> (1)海上試運転において性能確認(2011年4月、5月)。(2)就航中の性能モニタリングを実施(2011年5月31日~2012年2月29日)。主機負荷75%以上でハイブリッドターボチャージャーの単独運転、主機負荷60-75%で船内ディーゼル発電機との並列運転が安全に実施できる事を確認した。(3)主機負荷75%以上(Hybrid T/C単独運転)で省エネ率を確認した。
限界小面積NHVプロペラの研究開発 [Phase3]
- <4ヵ年計画の3年目> (1)燃費計のデータを用い、現状の本船性能を確認した。(2)新プロペラの省エネ効果を模型実験により検証した。また、キャビテーションや振動圧が現装プロペラと同等以下であることを確認した。
物流技術
防振パレットによる防振ソリューション [Phase1]
- 防振輸送に関するソリューションを増やすために、防振素材などの検討をし、複数の防振パレットを試作しテストを行った。
リアルタイム カーゴケアシステム [Phase1]
- 輸送中の貨物が受ける衝撃、温度、湿度等を、リアルタイムに遠隔監視できるカーゴケアシステムを開発する。衝撃、温度、湿度等の計測用センサー、GPS、通信装置、電池などについて評価した。
完成車物流ソリューション実運用に向けての要素技術検証・性能向上
- MISEタグ*の性能改善を実施した。(1)通信性能向上、(2)表示性能向上、(3)省電力化により動作時間の長期化。*MISEタグ:完成車物流用表示機能付きアクティブタグ
ITSジャパン完成車RFIDチームプロジェクト参画
- <4ヵ年計画の2年目> 現場ニーズに即したソリューションを提案し、完成車ターミナルでの実証実験を行い、有効性の検証、課題の洗い出しを行った。*ITS:Intelligent Transport Systems 高度道路交通システム
個品物流向けプラットフォームの技術整備と開発
- 既存ユーザアプリケーションとの連携を可能にしたことにより、検討・開発期間の短縮とコスト削減が可能となった。