日本郵船とMTI、英Signol社と船員の日常業務での脱炭素推進支援トライアルを開始

~船員へ運航データと行動科学に基づくアドバイスを提供し最適運航へ~

日本郵船株式会社(以下「日本郵船」)と日本郵船グループの株式会社MTI(以下「MTI」)はこのたび、イギリスを拠点に船舶・航空機向けの脱炭素業務支援システムを提供しているSignol Limited(以下「Signol」)と連携し、船員の日常の運航業務での行動変容による脱炭素推進に向けた効果検証トライアルを開始しました。本トライアルでは、日本郵船グループで運航する33隻の船舶の運航データをSignolのサービスで分析し、船員に“ナッジ(行動変容を促す働きかけ)”となる業務改善アドバイスを提供することで、脱炭素に対する意識の醸成と、船上での具体的な行動変容の促進を図ります。

背景

海運業界では、国際海事機関(IMO)による温室効果ガス(GHG)削減目標のもと、脱炭素化に向けた取り組みが世界的に加速しています。船舶自体の省エネルギー化や新燃料の導入など技術的な対策は進んできていますが、日本郵船グループは、現場で実際に運航業務にあたる船員の脱炭素への理解と日々の業務における主体的な取り組みも重要であると認識しています。一方で、船員の日常業務は船舶の安全運航と直結するため、燃料節約へ向けた運航の工夫には難しい判断が必要となるケースもあり、人力での最適化には限界がありました。このような背景のもと、日本郵船とMTIはSignolのサービスに着目しました。

概要

Signolは、行動科学を活用したデジタルプラットホームを用いて各船の運航データを分析し、船員に対して個々の業務行動履歴や運航状況に基づきパーソナライズされた目標設定やフィードバック、具体的な行動アドバイスを提供します。これにより、船員が燃料消費や二酸化炭素(CO₂)排出量に対して自身の業務がどのような影響を与えているかを分かりやすく可視化し、燃料節約へ向けた業務改善を促進します。
このトライアルでは、運用にあたって船員の日常的な業務行動が特に深く関与する特定の機関関連機器類の最適運用を目標としています。たとえば、運転時間の短縮の余地を算出して船員へアドバイスすることで、これまで船員だけでは判断が難しかった場面での燃料節約行動に寄与します。
約6カ月間のトライアル前後の脱炭素データを分析することで、船員を主体とした脱炭素への貢献可能性を検証します。また、本トライアルのデータは米国コロンビア大学へ提供され、今後、コロンビア大学、日本郵船、MTI、Signolの共同研究として学術論文の発表を検討しています。

日本郵船とMTIは、Signolと共に、船員の脱炭素へのモチベーションを、日々の運航業務を通じて発揮される海運業界の脱炭素化へ向けた重要な推進力と位置づけ、船上での具体的な行動変容を通じて持続可能な社会の実現に貢献していきます。

各社概要

日本郵船株式会社
代表者 :代表取締役社長 曽我 貴也
本店:東京都千代田区
事業内容 :定期船事業、物流事業、自動車事業、ドライバルク事業、エネルギー事業、その他の事業(不動産、客船ほか)
WEB サイト:https://www.nyk.com/

株式会社MTI
代表者 :代表取締役社長 鈴木 英樹
本社 :東京都千代田区
事業内容 :環境・省エネ技術、船舶運航技術、情報技術の研究開発、輸送品質向上支援、物流ソリューション、新事業領域の調査・研究
WEB サイト:https://www.monohakobi.com/ja/

Signol Limited
代表者:CEO Michael Fanning
本社:イギリス
事業内容:船舶/航空機におけるGHG削減業務支援SaaSを提供
WEBサイト:https://www.signol.io/

関連リンク

NYKプレスリリース「日本郵船とMTI、英Signol社と船員の日常業務での脱炭素推進支援トライアルを開始」

NDS Progress Report 2025(日本語版)