DFFAS+
背景
日本の海事産業は、船員の半数以上が50歳以上という船員高齢化問題や、海難事故の8割をヒューマンエラーが占めているといった深刻な社会課題に直面しています。これらの課題に対処するため、無人運航船の実現が期待されています。
無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」は、2020年にスタートし、無人運航船の実証実験を行う第1ステージを経て、現在第2ステージに進んでいます。第1ステージでは無人運航船で必要な要素技術とそれらを組み合わせたシステムによる運航が実現可能であることを示し、その成果をもとに2025年の本格的な実用化を目指しています。第2ステージでは、無人運航船の社会実装に向けた技術開発助成プログラムを通じて、無人運航船技術のさらなる進化と国際規格化が進められます。
日本郵船グループは、DFFAS+コンソーシアムのメンバーとして、無人運航船の設計・開発・実証実験を行い、無人運航船技術の社会実装を推進します。また、日本財団と協力し、無人運航船の技術を国際標準にすることで、日本の海事産業の強化と国際的な競争力の向上を図ります。
*無人運航船: 離岸・出港から着岸・入港までの間を、海域や環境などの条件に応じて(船橋での)操船者の介入が無くとも安全に航行(他船などの周囲環境認識・分析・計画策定・制御)することが可能な船
目的
■実証実験
将来の内航業界を支える次世代船の設計と、無人運航船を支える船陸オペレーションの実証実験を実施する。
■技術の規格化
無人運航船に必要な要素技術を国際規格化し、日本の海事産業の強化を図る。
■開発プロセス基盤の強化
シミュレーション技術の高度化やリスクアセスメントの汎用化を進め、開発プロセス基盤を強化する。
■社会実装
自動運航システムの製品化とそのための認証スキームの構築、国際的・国内的なルール整備、人材育成、規制緩和、保険・運賃の検討などを通じて、無人運航船の社会実装を目指す。