RFID技術を利用した「自動倉庫内ロケーションシステム」で平成19年度日本船舶海洋工学会賞(開発)を受賞

この度、弊社㈱MTI(以下、MTI)は、無線ICタグ(RFID)技術(注1)を利用した「自動倉庫内ロケーション管理システム」について、社団法人日本船舶海洋工学会より、「平成19年度日本船舶海洋工学会賞(開発)」を受賞しました。

同システムは、YRPユビキタスネットワーキング研究所(東京都品川区)(注2)、株式会社エヌ・エー・ピーラボ(東京都品川区)(注3)と共に2003年頃より開発を進めてきたもので、倉庫内の床に設置した無線ICタグを利用し貨物の保管場所情報を自動更新・管理するシステムです。

この度の受賞は、作業効率の改善を実証実験で検証できたことに加え、株式会社大島造船所(長崎県西海市)によるシステムの試験的導入が実施されたことが、物流分野でICタグが有効に利用される先駆的な事例として評価されたものです。

授賞式は5月24日、サンシャインシティ文化会館(東京都豊島区)にて行われ、YRPユビキタスネットワーキング研究所室長 山田純氏、株式会社エヌ・エー・ピーラボ代表取締役社長 中川一位氏参列のもと、MTI取締役の田中康夫が代表して受賞しました。

なお、本システムの開発に際してICタグ保護シートも考案されました。これは、フォークリフトなどによりICタグが踏み潰されることがない様にするもので、MTIと住友化学株式会社の関連会社・住化ケムテックス株式会社(本社:大阪市此花区)が共同開発しました。

MTIは、このたび開発した「自動倉庫内ロケーション管理システム」を、物流ソリューションの中核のひとつとしてさまざまなお客様に提案し、更なる物流の効率化に取り組むとともに新たなビジネスチャンスの獲得を目指します。


(注1)無線ICタグ(RFID)技術:
RFID(Radio Frequency Identificationの略)は、ID情報を埋め込んだタグから、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によって情報をやりとりする技術。
(注2)YRPユビキタスネットワーキング研究所:
2002年に設立された坂村健氏(東京大学教授、工学博士)を所長とする研究所。人間生活をより高度にサポートする、ユビキタスコンピューティング環境を構築すること、更にその基盤となる次世代通信プロトコルを確立することを目的として設立された。
(注3)株式会社エヌ・エー・ピーラボ:
1988年に設立された、MTIの技術コンサルティング会社。代表取締役中川一位氏は運輸会社、アンテナ製造会社、通信事業会社を設立後、物流分野のソフトウェア開発などを手掛けた、無線を取り扱う数少ない技術者。