シミュレーション・技術検証
自動運航システムをはじめとして、船舶に搭載されるシステムが複雑化しています。このようなシステムの機能や安全性の検証を、実際の船ではなく、バーチャルな環境で実施するためのシミュレーション技術の研究開発を進めています。
背景
自動運航船の制御システムや船内電力の最適制御を行うパワーマネジメントシステムなど船舶に搭載されるシステムの高度化・複雑化が進展しています。このようなシステムの機能や安全性を検証するためには、様々な運航・運用状況を想定した、また他の機器・システムとの相互作用を踏まえた検証が必要となります。そのため、実船を使った検証では十分な検証を実施することができません。そこで求められるのがシミュレーションを用いた、バーチャル環境での検証技術です。
アプローチ
バーチャル環境で技術の検証を行うためには、対象とする船舶の挙動を再現するシミュレーションモデルが必要となります。例えば、船舶の運動は、実海域での風、波、潮流や、水深によって変化しますが、技術の検証の目的に合わせて必要な精度のモデルを開発することが重要です。MTIでは船舶工学の知見と、水槽試験や、CFD、実運航データなど様々なデータを組み合わせ、技術検証に利用できるシミュレーションモデルを開発しています。また、モデルと実際の制御機器を接続して検証を行うためのシミュレーションプラットフォームの研究にも取り組んでいます。
ゴール
技術検証に必要なシミュレーションモデルを効率的に開発し、実船搭載前にシミュレーションプラットフォーム上でバーチャルにテストを行う技術の確立を目指します。