モジュール運搬船「YAMATO/YAMATAI」に適用された「空気潤滑法によるモジュール運搬船の摩擦抵抗低減」技術が、日本マリンエンジニアリング学会より「マリンエンジニアリング・オブ・ザ・イヤー2010」を受賞

7月22日(金)、海運クラブ(東京・平河町)にて海事三学会合同表彰式が行われました。日本郵船株式会社、日之出郵船株式会社、三菱重工業株式会社、株式会社MTIによる共同研究「空気潤滑法によるモジュール運搬船の摩擦抵抗低減」が「マリンエンジニアリング・オブ・ザ・イヤー2010」を受賞しました。授賞式には、当社より中谷STOが出席しました。

「マリンエンジニアリング・オブ・ザ・イヤー」は、日本マリンエンジニアリング学会が、マリンエンジニアリング分野の優れた技術を表彰することによって、その先進性・重要性を広く国内外に発信し、関連の技術をさらに発展させることを目的に制定されたものです。

モジュール運搬船「YAMATO」および「YAMATAI」は、ブロワ(送風機)を用いて船底に空気を供給する方式を採用することにより、船底と海水との摩擦抵抗を削減しました。海上公試では空気潤滑システムを作動および非作動の状態で速力試験を行い、作動状態で正味約10%の省エネ効果が得られることを確認しました。尚、当社は現在も本船の実運航データ収集を継続しており、データの詳細な解析を実施することにより、実海域での省エネ効果、空気量と抵抗低減効果の関係、船体運動と省エネ効果の関係などについての評価に取り組みます。船舶のGHG排出量削減に大きな貢献を果たすものと期待されるこのシステムは、今後はバルカーなど他船種への適用について検討を行う予定です。

世界で初めて、大型商船にブロア方式による空気潤滑システムを搭載したモジュール船、YAMATO/YAMATAIは、日本船舶海洋工学会より「シップ・オブ・ザ・イヤー2010特殊船部門賞」も受賞しました。


関連リンク

(社)マリンエンジニアリング学会
(社)日本船舶海洋工学会