当社独自技術でコンテナ船の省エネ運航を推進 ― 23%のCO2削減効果を検証
2015年02月27日
株式会社MTI
日本郵船株式会社
当社および日本郵船株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:工藤泰三)は、 船舶の省エネ運航を推進するため就航コンテナ船を対象に船型改良工事を実施し、実航 海における解析で推定値を上回る23%の二酸化炭素(CO2)削減効果を検証しました。
省エネ運航が一般的となってきており、コンテナ船も建造時に想定されていた航行速度よ り低速域で航行する傾向にあります。こうした中、当社および日本郵船株式会社ではバルバスバウ(注1) の改造や船体付加物”MT-FAST” (注2)の設置などにより、就航船を低速運航仕様に改良し、 推進性能の改善を図ることでCO2削減の深度化を行うべく、2013年夏から研究を進めてきました。
2014年6月の改良工事実施後、半年間にわたり実航海データを取得。このビッグデータの 性能解析を行った結果、推定値を上回る23%ものCO2削減効果を確認し、一般財団法人日本海事協会による鑑定を 受けました。また、エンジンの運転状態等、本船のコンディションの検証も併せて行い、 この改良工事が安全運航に影響を及ぼさないことも確認しています。
本工事に関する研究はMaritime and Port Authority of Singaporeによる補助金「Green Technology Programme」の 交付対象となり、また日本海事協会の「業界要望による共同研究」としても採択されるなど、環境負荷削減のための 本格的な研究として期待されています(注3)。
今回、当社および日本郵船株式会社が短期間かつ効率的に運航条件に適した改造工事を検討する手法を確立した(特許出願中)ことで、 今後日本郵船グループのコンテナ運航船に対しても、この手法に基づく工事を進め、省エネ効果の向上を図っていきます。
当社および日本郵船株式会社は新中期経営計画”MORE THAN SHIPPING 2018″で掲げた「きらり技術力」を活かし、 グループ一丸となって引き続き環境分野の先進企業を目指します。
バルバスバウの改造
(船型や運航条件に併せてバルバスバウの形を改造)
(注1)バルバスバウ
本船の喫水線下の船首部分に取り付けられた、丸く突出したバルブ状の突起物。船が進む際、 波を起こすことによって受ける抵抗を打ち消す効果がある。
(注2)船体付加物”MT-FAST”
船体付加物とは水面下の船体に物体を取り付け、損失したエネルギーを回収する装置。”MT-FAST”は、 2008年に当社とツネイシホールディングス株式会社が開発した船体付加物で、 プロペラ前方に複数の翼を取り付けることで、プロペラの回転から生まれる旋回流による損失エネルギーを 回収する効果がある。
(注3)「業界要望における共同研究」とは、海事業界からの研究開発に関する要望を受け、 日本海事協会の資金的・技術的なサポートのもと、海事業界の発展に貢献する研究開発活動に 日本海事協会と関係者が共に取り組む研究開発スキーム。
http://classnk-rd.com/index.html
以上
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