自律運航船の実現を目指す海事エコシステムOne Seaに
アジア初のメンバーとして参画

当社は、2019年5月28日、自律運航船の実現を目指す海事エコシステムOne Seaにアジア初の
メンバーとして参画しました。日本郵船グループでは「有人自律船」の実現を目指して研究開発を進めていますが、国際的なプレイヤーが集うOne Seaでの活動を通して、基準作成や技術標準化に貢献します。

1. 背景・目的

日本郵船グループは、船舶の運航における安全性の向上並びに労働負荷低減を目指し、先進技術を利用した船舶の自動化に関する研究開発、実証事業に取り組んでいます。
One Seaは、自律海上輸送システムの実現を目標として2016年にフィンランドで立ち上がった
海事エコシステムで、欧州メーカーをはじめとして自律運航船の社会実装を目指す世界の企業・団体が参画しています。当社は、今回、アジアからは初のメンバーとしてOne Seaに参画することになりました。

日本郵船グループでは、船舶の運航における安全性向上を目指す船会社の視点で、
コンピューターが人の役割を補完する「有人自律船」を当面の目指すべき方向と位置づけ、国内外のパートナーと連携して研究開発を進めていますが、自律運航船の社会実装を目指す国際的なプレイヤーが集うOne Seaの活動を通して、基準作成や技術標準化に貢献し、「有人自律船」の実現を目指します。

2. One Seaについて

標準化の対象候補分野

標準化の対象候補分野

One Seaは、2025年までの自律海上輸送システムの実現を目標としてフィンランドで立ち上がった海事エコシステムで、実現に向けたロードマップ作成、必要な法整備や標準化に関する議論を行っています。また、スタートアップを集めたピッチイベントを実施するなど、ビジネス展開に向けた取り組みも実施しています。
メンバーとしてABB、Cargotec、Ericsson、Inmarsat、Kongsberg Maritime、MTI、Tieto、
WärtsiläおよびFinnpilot Pilotage、その他パートナーとしてRINA(英国造船学会)、Finnish
Marine Industries、Shipbrokers Finland、Finnish Port AssociationおよびFinnish Ship owners’ Associationが参画しています(2019年6月5日現在)。活動資金は参加企業と
Business Finland(政府ファンド)によって賄われ、DIMECCが事務局を担っています。

One Sea AUTONOMOUS MARITIME ECOSYSTEM

国土交通省: 自動運航船、実証段階へ!!

2018年8月10日発表: 遠隔操船技術の実証事業に参加

日本海事新聞 「NYK デジタル革命 海運の先へ」

Monohakobi Techno Forum 2018 資料 「自動運航船への取り組み」

論文「有人自律操船のための行動計画システム(APS)の概念提案」
日本マリンエンジニアリング学会誌 第54巻 第 2 号(2019), 2019年3月
著者:沓名 弘二、安藤 英幸、中島 拓也(MTI)、桑原 悟、中村 紳也(日本海洋科学)