Remote Diagnostic Center

RDCでの船舶エンジン状態モニタリング

ビックデータを活用した異常検知システムの開発

日本郵船では、日本郵船が運航管理する船舶において、船に搭載されている様々なセンサーのデータを、衛星通信を用いて収集し、陸上から船のコンディションをモニタリングできる仕組みを構築してきました。

この船舶モニタリングの仕組みを、運航船の安全管理に最大限活用していくため、船舶から送られてくる膨大なデータを分析しエンジンプラントの不調を発見できるような異常検知の仕組みについて、当社では研究を行ってきました。機械学習モデルなど複数の分析ツールを使いながら、データの振る舞いの異常を検出しアラートを出すことができるシステムの開発に成功し、既に運用が開始されています。

2020年には、この異常検知システムからのアラートに基づき、乗船経験があり専門知識のあるエキスパートが船の状態を診断し、本船乗組員と連絡を取り合って事故や故障を未然に防ぐ活動を行う陸上監視センター(RDC:Remote Diagnostic Center)をフィリピンに設立しました。

陸上監視センター(Remote Diagnostic Center)

早期かつ確実な異常検知を可能とするために

RDCでは、異常検知システムが検知したデータパターンの異常をみて、エキスパートが故障の原因となっていそうな部分を推定し対応方法を検討した上で、本船とコミュニケーションを取っています。このようなエキスパートの診断結果や本船からのフィードバックを学習データとして使うことで、異常検知システムは更に学習を深め、より精度の高い異常検知ができるようになっていきます。

近年は、センサー性能も向上し、また船内/船陸間の通信環境も改善が進んでおり、より多くの計測データを高粒度なまま陸上で取得できるようになっています。このようなデータの充実にあわせ、MTIでは最新の機械学習技術を取り入れた新しい分析モデルについての研究開発を継続しています。船毎に違うエンジン特性を学び、更にはメンテナンスによる特性の変化等を踏まえた上でデータを分析することで、より早いタイミングで故障の予兆を捕まえることができます。このような複数の分析モデルを組み合わせた総合的な異常検知システムの構築を目指しています。

異常検知システムとエキスパートのコラボレーション (Expert-in-the-loopというコンセプト)

今後造られる新しいタイプの船にも対応し、継続的な学習を行いながら多面的な分析を行う高度な異常検知の仕組みを運用していくため、各種分析モデルを統一的な基盤(MLOps)の上に構築できるよう、モデルの改良を行いながら研究を進めています。また、より正確なデータ分析を可能とするため、データの品質をモニターし、センサーの異常とエンジンの異常を区別できるような仕組みの開発も進んでいます。このように当社では、データそのものの品質管理や、機械学習モデルの運用までを見据え、安全運航に貢献していくための実践的な研究を行っています。

MLOpsによるモデル開発の円滑化

(執筆担当:Putu Hangga Nan Prayoga、間﨑 厚稀、柴原 強)

関連リンク

Monohakobi Techno Forum 2021講演資料:「船舶IoTデータにおける異常検知システムとデータ品質管理システムの開発」 Putu Hangga Nan Prayoga

Monohakobi Techno Forum 2021講演資料:「RDC(Remote Diagnostic Center)でのDX活動とNYKの目指す安全運航について」 日本郵船株式会社 海務グループ ビックデータ活用チーム長 機関長 山田 省吾氏

MTIジャーナルNo.19「エキスパートエンジニア×AIで安全運航をサポート」 間﨑 厚稀

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