MTI People

流体技術のロマンを追い
研究成果の発信を目指す
松下凜太郎
SI&コンサルティンググループ
システム設計開発チーム 兼 宇宙技術チーム
研究員
2022年入社 / 2025年2月4日掲載(職名は掲載当時)
現在の仕事内容
入社後は、主に船体運動をデジタル上で再現するシミュレーションモデルの構築を行っています。また、モデル内で用いられるパラメータ推定のための模型実験や、データ解析などを行っています。
船を開発する際、船体運動の観点からは操縦性や安全性、様々な通信・制御機器との連動など多くの検討事項が挙げられます。しかし、実際の船を用いた実証実験は極めて大掛かりであり、多くの物理的な制約が存在します。一方でシミュレーションにはそのような制約は存在しません。また、シミュレーション上で事前の検証を行い、多くの課題を抽出・解決しておくことで実証実験時におけるリスクやコストを大幅に削減することができます。
自律運航技術や省エネ技術などシミュレーションモデルの重要性は日々高まっており、国内外の多くの関係者とコミュニケーションを取りながら業務に励んでいます。
また最近では日本郵船の宇宙事業参画に合わせて、ロケットや衛星などの宇宙技術と船側の技術を繋ぎ、新たな技術を創り出す取り組みも行っています。研究背景が全く異なる人たちとの議論が増え、勉強しなければいけないことばかりですが、非常に充実した日々を送ることができています。

ノルウェーDNV社への出張時(前列左から2番目が本人)
ある1日のスケジュール
基本的に複数プロジェクトを掛け持つため、プロジェクトごとの事務作業・打合せ・研究開発を並行して行うことが多いです。試験の立ち合いや学会参加など国内外の出張も多いため、スケジュールがハードなときもありますが、経験に恵まれているとも感じます。
MTIに入社した理由
大学では海洋技術環境学を専攻しており、特に「浮体構造物と流体の干渉影響」などを研究テーマとしておりました。流体という捉えどころのない現象を構造物の形一つでどんな力にも変えてしまう技術にロマンを感じたことがきっかけです。また、縁あって南極観測隊として研究活動をしていたことがあり、そこでは「海氷域における船体の燃料効率」を調査しておりました。そうした経験を通じて船に技術をどのように活かすかを考えるようになり、実運航に密接した研究機関であるMTIであれば、技術の研究・開発・検証に一気通貫で取り組むことができ、大きな遣り甲斐がありそうだと感じたことが決め手となりました。

南極観測船「しらせ」とのツーショット
学生時代の専攻・入社後に必要なスキル
シミュレーションを行う上では、事前検討の内容や段階に応じて適切にシミュレーションのレベル分けをする必要があります。そのため内部で用いられている運動モデルがどのような物理的前提に基づいているかにも精通している必要があります。流体力学の知見が役立つことは多いものの、船舶工学については入社時点では理解が浅く苦労しました。また、シミュレーションを用いて多くの通信機器や制御機器との接続テストも行われるため、情報工学や制御工学についても最低限の知見が求められます。多くの工学的知見が求められるため、様々なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる場であるとも言えます。
社風・働き方
フラットで建設的な議論を当たり前にできる場というのが一番の社風だと思います。研究に真摯に取り組もうとする心がけと、多くの出向者と共に働くという多様性に富んだ職場であることから、互いの経験や意見を尊重・活用し合い、より良いものを目指すという環境が自然と醸成されていると感じます。
また、自分の業務に合わせて、リモートとオフィスを組み合わせることができるので、両方の良いとこ取りによる働き方が実現できていると感じます。
MTIの強み
海運会社が擁し、数多くの出向者が在籍する組織であることから、メーカー・ユーザーの両側の視点が養えます。また運航データも日々蓄積しており、データ量にも事欠きません。イノベーティブな研究の種がそこら中に広がっているような場であり、研究者として自走していくのに非常に恵まれた環境にあると思います。
また、一企業という観点では、若手に新しいことや責任ある仕事をどんどん任せて、応援してくれる環境は大きな強みだと感じます。自然と会社の在り方を考える機会も多くなるため、研究一辺倒でなく広い視野を養えると思います。

創業20周年記念パーティーでの新MVV発表時
今後の目標
携わっているプロジェクトの多くが数年程度の中長期的なスパンを想定しているため、まずはしっかりとゴールまでたどり着くこと、またその過程で得られた様々な成果を内外に発信していくことを目指したいです。研究成果は発信して初めて成果足りえると考えており、一人前の研究者になるためにも避けては通れない道だと感じております。
また、一研究者としては、自分がこの道を志したきっかけでもあるロマンを追い求めることを心に留めて、自分がそう感じたプロジェクトにはどんどん関わっていきたいと思います。
アフターファイブ・趣味
お酒と歌が好きなので、平日は仕事終わりに夕食もかねてオフィス近くのお店を開拓しに行ったり、週末は友人達と歌いに行くことが多いです。また、アナログ・デジタル問わずゲーム好きなため、休日は家族や友人達と一日中遊んでいることもあります。

行きつけのバー

好きなボードゲーム

南極海の景色