MTI People

数理モデル化の知識で
大きな社会貢献を目指す

谷原圭祐

船舶物流技術グループ
シミュレーションチーム
研究員

2020年入社 / 2022年1月21日掲載(職名は掲載当時)

現在の仕事内容を教えてください。

現在は入社2年目ということもあり、今後船舶に関する幅広い知識を身に着けて研究を進めることができるように、色々なプロジェクトに携わる機会を頂いています。シミュレーション環境を構築して船舶モデルへ外界センサーを取り付けた際にどのような認識・制御技術が有効となるかを検証したり、数理最適化を用いて船舶の運航スケジュールを最適化したり、GHG排出量低減に向けた新燃料タンク内部のシミュレーションをしたり、と複数のプロジェクトにかかわっています。

一見共通点のない分野ではありますが、問題に対する数理モデル化と仮説検証がいずれも必要ということで、実際に手を動かしながら仮説設定・モデル化・検証という一連サイクルを進める研究開発能力を高めるための場となっています。

MTIを志望した、入社を決めた理由は?

大学院時代は機械系と情報系の双方を扱う専攻において、数値シミュレーションを用いた発声器官のモデル化を行っていました。研究を続ける中で、次の研究テーマは学術方面に寄ったものを離れて実社会への貢献を強く意識したものを選びたいと考えて、研究で身に着けた数値解析・モデル化の知識を活用できそうな企業について分野を問わずに広く探しました。

広く企業を見る中で、海運業界で研究開発を行うというMTIにご縁があり入社することにしました。日本郵船という親会社を持ち現場がすぐそばにある研究開発環境を持つ点、海運業界の規模の大きさから研究の貢献のスケールも大きくなる点、自動運転やGHG排出削減という大きな流れによる研究の後押しがある点と、3つの大きな魅力があったことが私にとっての入社の決め手となりました。

学生時代の専攻が活かされているところ、逆に、身につけなければならないと思うスキルはありますか?

関わるプロジェクトの背景知識はそれぞれ異なりますが、仮説を立てて問題を数理モデル化し、解決するための手順を検証するという過程は共通するところが多いです。数理モデル化とシミュレーションによる検証は大学院の研究でも行ってきたことなので、プロジェクトの周辺知識を学習しながら研究開発を進めることができています。

一方で、私は船舶海洋系をバックグラウンドに持たないことから、船舶工学の知識と経験が薄いので、知識の蓄積と自身の感覚との結びつけの双方が必要と強く感じています。船舶工学の学習を進めるとともに、業務の中で耳にした馴染みのない単語や言い回しなどはすぐに調べるようにして、ギャップを埋めるように努めています。

MTIはどんな会社だと思いますか?また、働き方についてはどうですか?

MTIは社内の人材に加えて、造船所や舶用機器メーカーなど多様な企業からの出向者がおり、様々な領域における知識・経験をもつ方々と一緒に仕事をしています。合わせて社内の風通しもよく意見も述べやすいので、新たな発想など技術交流が生まれやすい環境が存在しているように思えます。

リモートワーク下で活躍している自宅トレーニング用品

リモートワークについては通勤の手間など省けて効率化が図れる一方、ふとした雑談によるコミュニケーションが行いにくいため、このバランスを会社も手探りで調整しているように思えます。個人的にはリモートワークの働きやすさは大いに活用したいこともあり、懸念点については自分から解消できるように努めていきたいと考えています。

今後の目標や挑戦したいことはありますか?

今後は自身の強みでもあるモデル化・仮説検証やプログラミング能力をプロジェクトの中で磨くとともに、船舶海洋工学をはじめとした業界知識を深めて行くことがはじめの目標です。そして、GHG削減や人手不足などの社会問題の解決のためにも、研究開発で得た知識を社内外に伝え、学会・シンポジウムなど広い交流と議論の中でより洗練された技術へと繋げて企業を通した社会貢献を目指すことが次なる目標となっています。

同時に、担当する研究が実務へどう対応するかを意識して、燃費・安全性・認識精度など数字で分かるような形で海運分野へ貢献していきたいと考えています。そのような活動を通し実績と知見を重ねて論文発表や博士号取得を目指し、学問的な裏付けがある専門性で頼られる人材へなれるように精進していきたいです。

アフターファイブや休日は何をして過ごしていますか?

写真撮影も趣味で、旅先での一枚

業務が終わった後は、何らかの勉強をしていることが多いです。時期により内容は変わりますが、担当プロジェクトに必要な知識、船舶工学、英語に加えて趣味を兼ねたプログラミングなどを勉強することが多いです。

そのほかは気になったことの調査、自分用のソフトウェアの作成などを行っています。また、在宅勤務と合わせてインドアに寄った生活であるため、定期的な運動の機会を持つようにして生活にメリハリを付けています。

作成した個人用プログラム(家系図生成)