MTI People

流体技術のロマンを追い
研究成果の発信を目指す

松下凜太郎

船舶物流技術グループ
シミュレーションチーム
研究員

2022年入社 / 2024年1月29日掲載(職名は掲載当時)

現在の仕事内容を教えてください。

主に、船体運動をデジタル上で再現するシミュレーションモデルの構築を行っています。またモデル内で用いられるパラメータ推定のための模型実験やデータ解析などを行っています。
船を開発する際、船体運動の観点からは操縦性や安全性、様々な通信・制御機器との連動など多くの検討事項が挙げられます。しかし、実際の船を用いた実証実験は極めて大掛かりであり、多くの物理的な制約が存在します。一方でシミュレーションにはそのような制約は存在しません。また、シミュレーション上で事前の検証を行い、多くの課題を抽出・解決しておくことで実証実験時におけるリスクやコストを大幅に削減することができます。そのためモデル構築作業の他にも、自律運航技術や省エネ技術の実装検討などシミュレーションを必要とする多くのプロジェクトと関わることができ、充実した日々を送っています。

MTIを志望した、入社を決めた理由は?

大学では海洋技術環境学を専攻しており、特に「浮体構造物と流体の干渉影響」などを研究テーマとしておりました。流体という捉えどころのない現象を構造物の形一つでどんな力にも変えてしまう技術にロマンを感じたことがきっかけです。また、縁あって南極観測隊として研究活動をしていたことがあり、そこでは「海氷域における船体の燃料効率」を調査しておりました。そうした経験を通じて船に技術をどのように活かすかを考えるようになり、実運航に密接した研究機関であるMTIであれば、技術の研究・開発・検証に一気通貫で取り組むことができ、大きな遣り甲斐がありそうだと感じたことが決め手となりました。

南極観測船「しらせ」とのツーショット

学生時代の専攻が活かされているところ、逆に、身につけなければならないと思うスキルはありますか?

シミュレーションを行う上では、事前検討の内容や段階に応じて適切にシミュレーションのレベル分けをする必要があります。そのため内部で用いられている運動モデルがどのような物理的前提に基づいているかにも精通している必要があります。流体力学の知見が役立つことは多いものの、船舶工学については入社時点では理解が浅く苦労しました。また、シミュレーションを用いて多くの通信機器や制御機器との接続テストも行われるため、情報工学や制御工学についても最低限のスキルが求められます。多くの工学的スキルが求められるため、様々なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる場であるとも言えます。

MTIはどんな会社だと思いますか?また、働き方についてはどうですか?

一番の長所はフラットで建設的な議論を当たり前にできる場であることだと思います。研究に真摯に取り組もうとする心がけと、多くの出向者を擁するという多様性に富んだ職場であることから、互いの経験や意見を尊重・活用し合い、より良いものを目指すという環境が自然と醸成されていると感じます。
また、自分の業務に合わせて、リモートとオフィスを組み合わせることができるので、両方の良いとこ取りによる働き方が実現できていると感じます。

今後の目標や挑戦したいことはありますか?

携わっているプロジェクトの多くが数年程度の中長期的なスパンを想定しているため、まずはしっかりとゴールまでたどり着くこと、またその過程で得られた様々な成果を内外に発信していくことを目指したいです。研究成果は発信して初めて成果足りえると考えており、一人前の研究者になるためにも避けては通れない道だと感じております。
また、一研究者としては、自分がこの道を志したきっかけでもあるロマンを追い求めることを心に留めて、自分がそう感じたプロジェクトにはどんどん関わっていきたいと思います。

アフターファイブや休日は何をして過ごしていますか?

お酒が好きなので、平日は仕事終わりに夕食もかねてオフィス近くのお店を開拓しに行ったり、週末は友人らと飲みに行くことが多いです。また、アナログ・デジタル問わずゲーム好きなため、休日は家族や友人らと一日中遊んでいることもあります。まだまだ先の話ですが、余生にボードゲームカフェを開くのがひそかな夢です。

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